Pink Crispy!

音楽と剣道のことを中心にいろいろ書いてます。

スピッツ全曲歌唱攻略シリーズ3 日なたの窓に憧れて

 こんにちは。今回は日なたの窓に憧れて」(1992)を取り上げようと思います。よろしくお願いします。

 

【地声最低音】mid1D(D3)Aメロで登場

*君が世界だと気づいた日mid1D[か][ら]

mid1D[胸]の大地は回り始めた

【地声最高音】 hiA#(A#4)Bメロで登場

*気絶mid2G[し]hiA[そ][う]mid2F[な]hiA[お]hiA#[も]hiA[い]mid2G[か]mid2F[ら]放たれて

・【その他注意箇所】

mid2G[Uh]mid2F[Uh]すぐに  (Bメロ)

mid1F[メ]mid2F[リー]mid2G[ゴー]ランド (Cメロ)

*ずっmid2E[と]mid2F[ー] このまmid2G[ま]mid2F[ー] ずっmid2E[と]mid2F[ー] 

ずっmid2E[と]mid2F[ー]mid2F#[ー] (Cメロ)

*君に触れmid2E[た]い きmid2F#[み][に][触][れ]mid2G#[た]mid2F#[い](転調後サビ)

mid2E[た]だよいながmid2F#[ら] mid2E[か]らまりながmid2F#[ら]  (転調後サビ)

 

総評:中高音のロングトーンが多く、音域もやや広め。音程の急激な変化もいくつかあり。

歌唱難易度:A

*歌唱難易度は原曲キーで歌った上で、私の独断と偏見で判断しています。

目安として

C:歌い易い。歌い慣れていない人にもおすすめできる。

B:難所がいくつかあるものの、歌い慣れることで、克服出来得る。

A:難所が多く、歌い慣れている人でも、スムーズに歌えない可能性がある。

S:超高難易度。歌いこなせたら草野マサムネ級レベル(笑)。

 

【概要】

 さて、「日なたの窓に憧れて」についてですが、この曲はスピッツの通算5枚目のシングルで、3rdアルバム「惑星のかけら」に収録されています。またこの曲でスピッツは、初めてテレビ番組に出演しました。

 「日なたの窓に憧れて」のサウンドについてですが、曲の最初から最後まで、バックで流れ続ける電子音(シーケンスという)が非常に印象的です。曲の終始でこのシーケンスが流れ続けていますが、それが曲の邪魔にならず、むしろこの曲のもつ切なさや儚さをより一層引き立てており、本当に感嘆しました。この曲はスピッツがブレイクする前の作品ではありますが、ブレイク後の作品と並べても遜色のないポテンシャルを持っており、ブレイク後に発売していたら売れていたのではないかと思っています。

 歌詞に関してですが、

君が世界だと気づいた日から 胸の大地は回り始めた

や、

 君が世界だと気づいた日から 胸の大地は回り始めた

 

といった草野さんのセンスが光るロマンチックな表現が印象に残ります。これは僕の勝手な解釈(というより妄想(笑))ですが、この曲の歌詞の主人公はいわゆる2次元のキャラクターに恋した人ではないかと思います。というのも、歌詞の主人公は、

切ない空にうかべていたのさ

や、

落書きだらけの夢を見るのさ

というようにあくまでも「君」を浮かべたり夢見たりしているだけであり、「君」との具体的なエピソードなどが歌詞には出てきていないのです。 つまり、触れることのできない2次元に恋しているからこそ、「君に触れたい 君に触れたい」と必死で願っているのではないでしょうか。あくまでも僕個人の解釈ではありますが、それでもこうやっていろいろな読み取り方ができるという点で、この曲の歌詞の奥行きの深さが窺えます。

 

【歌う上でのポイント】

 さて、「日なたの窓に憧れて」の音域についてですが、mid1D~hiA#と一般的な男性の音域より高めです。

 まず、地声最低音のmid1DですがAメロで登場します。Aメロは低音が頻出する構成となっており、女性が歌う場合はしんどい部分だと思います。一方で、男性にとっては、比較的楽に出せる部分ではあると思います。ただし、気を抜くと低音が一本調子となってしまったり、ボソボソとした聞き取りにくい発声となる可能性があります。高音ばかりに意識が行きがちですが、低音を丁寧に歌い上げるというのは、高音を綺麗に出すのと同じくらい重要だと思います。

 地声最高音のhiA#はBメロで登場します。hiA#が登場するフレーズですが、

気絶mid2G[し]hiA[そ][う]mid2F[な]hiA[お]hiA#[も]hiA[い]mid2G[か]mid2F[ら]放たれて

と高音がかなり密集しています。地声で歌うのはかなりキツイ部分だと思います。やはり対策としては、hiA,hiA#の部分を裏声にすることが挙げられます。ただし、裏声から地声に戻した時の地声は、不安定になりやすいです。ましてや今回の場合だとmid2F[な]

mid2G[か]というやや高めの音階が、裏声の後に続くので、うまく地声に戻せなかったり、戻せたとしても苦しそうに聞こえてしまう可能性があります。ややニュアンスが崩れてしまいますが、すべて裏声にするというのも一つの手だと思います。

 他にも、転調後のサビで、

mid2F#[み][に][触][れ]mid2G#[た]mid2F#[い]と高めの音階が連発したり、

Cメロで、

ずっmid2E[と]mid2F[ー] このまmid2G[ま]mid2F[ー] ずっmid2E[と]mid2F[ー] 

と伸ばすところ(ロングトーン)が頻出したりと、曲を通していくつも難所が存在しており、歌い慣れた人でも手を焼く曲だと思います。ですので歌唱難易度はAに設定しています。

 

キーの調整

日なたの窓に憧れて」はスピッツの曲にしては珍しく音域がやや広めの曲です。キーを下げすぎると低音部分が出し辛くなる恐れがあります。男性が歌う場合は、キーを2~3個ほど下げるのが無難だと思います。女性が歌う場合は、やはりAメロの低音部分がネックとなると思いますので、キーを2~3個ほど上げるとよいと思います。

 

参考にさせて頂いているブログ

音域の表記方法など、参考にさせて頂いております。

vocal-range.com