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スピッツ全曲歌唱攻略シリーズ1 ヒバリのこころ

こんにちは。今回から、一曲に焦点を当ててその曲の概要や歌う上でのポイントなどを解説していこうと思います。まず最初に取り上げるのは、スピッツの記念すべきデビューシングルであるヒバリのこころ」(1991)です。よろしくお願いします。

 

・【地声最低音】mid1E(E3)  最後のサビで一回だけ登場 それ以外はmid1Gが最低音

*ぼ【く】らこれから強く生きていこう

・【地声最高音】hiA(A4) サビとフェイクで登場

*行くmid2E[手]mid2G[を]hiA[は][ば]む壁が

hiA[oh]mid2F[oh]mid2G[HO…]

・【その他注意箇所】mid2Emid2G辺り Aメロ部分

mid2F[僕][が][君][に][出]mid2G[会っ][た]mid2E[の]

mid2E[冬][も][終][わ][り][の]mid2F[こ][と][だ]った

mid2F[降][り][積][も][っ][た][か]mid2G[く][砂][と]mid2E[う]

*溶け出mid2E[し]mid2F[て][た]

 

総評:Aメロの中高音連発とフェイクの部分が難所

歌唱難易度:B

*歌唱難易度は原曲キーで歌った上で、私の独断と偏見で判断しています。

目安として

C:歌い易い。歌い慣れていない人にもおすすめできる。

B:難所がいくつかあるものの、歌い慣れることで、克服出来得る。

A:難所が多く、歌い慣れている人でも、スムーズに歌えない可能性がある。

S:超高難易度。歌いこなせたら草野マサムネ級レベル(笑)。


スピッツ「ヒバリのこころ」(LIVE DVD&Blu-ray「SPITZ 30th ANNIVERSARY TOUR "THIRTY30FIFTY50"」より)

 

【概要】さて、「ヒバリのこころ」についてですが、1991年にスピッツにより、リリースされたデビューシングルです。デビューする前のインディーズ時代から、この曲は存在しており、バンドにとっての名刺代わり的な立ち位置の曲だったようです。

ヒバリのこころ」のサウンドについてですが、スピッツサウンドというと、草野さんによる爽やかなボーカルと小気味よいアコギのストローク、ギターの三輪さんによる繊細で丁寧なアルペジオやカッティング、ベースの田村さんの楽しげに跳ね回るベース、そしてそれらをどっしりと支える﨑山さんの安定感抜群のドラムといった印象ですが、「ヒバリのこころ」の時点で、すでにそのサウンドが確立されているのは驚きの一言です。長年活動しているミュージシャンは、そのキャリアの中で大きく音楽性を変化させることが多く、そのため初期と現在で全く音楽性が異なっているというパターンが多くみられます(例としてB’z長渕剛さんなどが挙げられます)。しかしスピッツの場合は、初期から現在まで、そのバンドサウンドが大きく変化しておらず、このことは特筆すべき点だと思います。

歌詞に関してですが、

いろんなことがあったけどみんなもとに戻っていくここにいれば大丈夫だと信じてた

と自分の信じたとおりにならず変わっていく現実を悲観しつつも、

僕らこれから強く生きていこう」

と力強く宣言しており、同時期の「ニノウデの世界」の

冷たくって柔らかな 二人でカギかけた小さな世界

といった歌詞や「タンポポ」の

*僕らが隣り合うこの世界も けむたくて中には入れない

 というような閉鎖的で、内省的な世界観の歌詞と見比べてみると、「ヒバリのこころ」の歌詞はこの時期の曲にしては開放的で外向きであり、珍しい立ち位置にいると思います。

 

【歌う上でのポイント】

さて、「ヒバリのこころ」の音域についてですが、mid1E~hiAの範囲で、メロディーが構成されており、一般的な男性の音域がおおよそmid1A~mid2Gであるのを考えるとやや高めの音域です。

まず地声の最低音のmid1Eですが、最後のサビで一度だけ登場します。女性などで低い音が苦手という場合は、通常のサビの[僕ら]の部分がmid1Gなのでそちらに置き換えて歌唱してみると良いと思います。

地声最高音のhiAはサビとフェイクで登場します。サビの部分のhiAは高音が連続して続くスピッツにしては、珍しく短めの音なので、裏声で歌ったり、あるいは、思い切って出してみると意外と届きうると思います。

問題はフェイクです。フェイクのhiAは、hiA[oh]mid2F[oh]mid2G[HO…]と最初の部分で登場しています。ここのフェイクは、原曲でも草野さんは、力強く、かつかなり長いロングトーンで発声しています。hiAの部分自体は短めなので、多少粗があっても目立ちにくいと思いますが、mid2Gの部分は高めの音階かつ、かなり長いロングトーンなので、歌っていてかなりしんどい所だと思います。

またもう一つの難所として、Aメロでmid2Emid2Gが連発する部分があります。

mid2Emid2Gといった音階は一般的な男性にとっては、地声の最高音に近い音なので、そこを連発されるとなると、裏返ってしまったり、音が届かなかったりとスムーズに歌えない可能性があります。ただ、mid2Emid2Gといった音階は滅茶苦茶に高い音階というわけではなく、歌い慣れることで、十分克服出来得る音階です。ですので歌唱難易度もBに設定することにしました。

 

【キーの調整】

ヒバリのこころ」は低音部分に余裕がありますので、キーの調整はしやすいです。一般的な男性の場合はキーを2つほど下げるとAメロ、フェイクともに歌い易くなると思います。それでもしんどい場合は、さらに下げても大丈夫です。女性が歌唱する場合ですが、声の低い女性ならば、原曲でも歌える範囲の音域ですが、一般的な女性の場合だとキーを2~3つほど上げると歌い易くなると思います。

 【参考にさせて頂いたブログ】

vocal-range.com