こんにちは。今回は「魔女旅に出る」(1991)を取り上げようと思います。
よろしくお願いします。
・【地声最低音】mid1F(F3) Aメロで登場
*ほmid1F[ら][い]ちごの味mid2F[に]mid2G[似][て]mid2E[ぇ][る]よ
・【地声最高音】hiA#(A#4)
*mid2F[い][つ][で][も][こ][こ]mid2G[ぉ]hiA[に][い]hiA#[る]からmid2F[ね]
・【その他注意箇所】
*mid2G[も]mid2E[う][迷]うこ[と][も]mid2F[な]い (Aメロ)
*僕は一人mid2E[い]mid2F[の][り]ながmid1F[ら] (Aメロ)
*猫の顔でmid2E[う]mid2F[た][ぁ][っ][て]mid2G[や]mid2F[る](Aメロ)
*mid2F[ラ][ラ]ル[ラ][ラ]ルmid2G[ラ][ラ][泣][か][な]mid2E[い]で(サビ)
総評:全体を通して中高音が連発。
歌唱難易度:B⁺
*
歌唱難易度は原曲キーで歌った上で、私の独断と偏見で判断しています。
目安として
C:歌い易い。歌い慣れていない人にもおすすめできる。
B:難所がいくつかあるものの、歌い慣れることで、克服出来得る。
A:難所が多く、歌い慣れている人でも、スムーズに歌えない可能性がある。
S:超高難易度。歌いこなせたら草野マサムネ級レベル(笑)。
【概要】
さて、「魔女旅に出る」についてですが、この作品はスピッツの3枚目のシングルで、2thアルバムの「名前を付けてやる」(1991)に収録されています。前回取り上げた「ヒバリのこころ」が収録された1thアルバムの「スピッツ」が同じ年の1991年に発売されたことを考えると、かなりの制作スピードの速さです。
「魔女旅に出る」のサウンドについてですが、この曲はスピッツの作品の中で初めてオーケストラを導入しており、煌びやかで派手な印象を受けます。特に間奏の部分の、ぐんぐんと盛り上がり、上昇していくような演奏は、圧巻の一言です。また、将棋の棋士として有名な、藤井聡太さんもこの曲をお気に入りの作品として挙げているようです。
歌詞に関してですが、「僕」が、旅立っていく「君」を魔女になぞらえて、見送るという別れの歌となっています。草野さんはインタビューで、魔女という言葉がお気に入りで、普通に女や女の子と書くより可愛く感じるという旨の発言をしています。「苺の味に似てるよ」や「猫の顔でうたってやる」という一般的な別れの歌には出てこないようなフレーズがたくさん出てきますが、そうした歌詞も上のインタビューで草野さんが話していたような独特な感性から生まれ出たものだと思います。
【歌う上でのポイント】
さて、「魔女旅に出る」の音域についてですが、mid1F~hiA#の範囲でメロディーが構成されており、一般的な男性の音域より広いです。
地声最高音のhiA#ですが、サビの最後のフレーズで登場します。ここのフレーズはmid2F[い][つ][で][も][こ][こ]mid2G[ぉ]hiA[に][い]hiA#[る]からmid2F[ね]
とやや高めの音階で構成されており、なかなかしんどい部分だと思います。対策としては、hiA,hiA#の部分は裏声にするというのが無難だと思います。ただし、ここのフレーズに限らず、曲の全体を通して、mid2E~mid2Gまでの音階が頻出します。mid2E~mid2Gといった音階は、歌い慣れることで、十分克服出来得る音階ではありますが、この曲のように最初から最後まで頻出し、休めるような場所がないとなると、歌い慣れた人でも、じわじわと体力が削られ、うまく歌えなくなる可能性があると思います。ですので、難易度はB⁺に設定しております。
【キーの調整】
「魔女旅に出る」は低音部分に余裕がありますので、キーの調整はしやすいです。一般的な男性の場合はキーを2つほど下げると歌い易くなると思います。もちろんさらに下げても低音部分に余裕があるので、「下げたら、今度は低い部分が出にくくなった」ということは起こりにくいと思います。自分の出しやすいキーに調整してみてください。
女性が歌唱する場合ですが、声の低い女性ならば、原曲でも歌える範囲の音域ですが、一般的な女性の場合だとキーを2~3つほど上げると歌い易くなると思います。
余談ですが、草野さんは、1996年にオーケストラ隊を引き連れて演奏されたライブ「カゲロウの集い」では、なんとキーを2つ上げて歌唱しています。改めて草野さんの歌唱力の高さに驚かされました。
【参考にさせて頂いているブログ】
音域の表記方法など、参考にさせてもらっています。