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スピッツの曲を歌う上での3つのポイント

 こんにちは。今日は、僕がスピッツの曲を歌っていて、気付いた3つのポイントについてお話ししようと思います。

 

その1:連続して高いピッチ(音程)が続く

これは、『関ジャム完全燃SHOW』という音楽番組でも取り上げられていましたが、

『魔法のコトバ』という曲のサビの部分を例として挙げると、

・ふたりだけmid2G[にはわ]hiA[かる 夢見る]とか

[そんな暇もない]この頃

 

といったように高いピッチが連続していることがわかります。個人差はありますが、一般的な男性が出せる最高音がmid2Fからmid2G辺りだとされており、また、ここを超えると声が裏声に裏返ってしまうという換声点も同様にこの辺りの音だとされています。ですので、一般的な音域の男性がこの曲のサビを歌うとなると、上に挙げた部分の音が出せなかったり、裏返ってしまったりして、上手く発声ができないと思われます。このような特徴は、『魔法のコトバ』に限らず、『ロビンソン』、『チェリー』、『楓』といった他の多くの曲で見受けられます。

 

その2:草野マサムネさんの独特な声質

草野マサムネさんの声質は、柔らかく、繊細で、それでいてしなやかな力強さを併せ持つ、非常に独特なタイプの声だと思います。似たようなタイプの声質の歌手を挙げるとすれば、小田和正さんや平井堅さんなどが、草野さんの声質に近いのではないかと思っています。先ほども登場した音楽番組の『関ジャム完全燃SHOW』で、平井堅さんは、草野さんの歌について、

「変にこぶしを回したり、しゃくったり、抑揚をつけたり、ビブラートをかけるということをあまりしないことで、スピッツの曲の良さを引き出しているのではないか」という旨のコメントをしていましたが、本当にその通りで、草野さんは、上に書いた歌唱テクニックを使わずに、いわば、声質そのままの「すっぴん」の状態で、歌っているのだと思います。そして平井堅さんのコメントを言い換えると、スピッツの曲の雰囲気やニュアンスを出すためには、草野さんのように「すっぴん」の状態で歌う必要がある」と言えるのではないでしょうか。人によっては高い声を出すために、しゃくりを入れたり、無理やり張り上げるようにして歌う人もいると思いますが(私のことです笑)、そうした発声を行えば行うほど、原曲の雰囲気を損なってしまうと思います。

 

その3:音域はそこまで広くはない

その1、その2でスピッツの曲の難しい部分ばかりにスポットライトをあててきましたが、唯一の救いとして、スピッツの曲の音域はそこまで広くはありません。

その1で紹介した曲を例に挙げると、

 

・『魔法のコトバ』 mid1F~hiA  一オクターブと4音

・『ロビンソン』   mid1F#~hiB    一オクターブと5音

・『チェリー』  mid1E~hiA   一オクターブと5音

・『楓』        mid1F~hiA# 一オクターブと5音

 

となります。個人差はありますが、一般的な男性が出せる最低音がlowG、最高音がその1で挙げたようにmid2F~mid2G辺りであり、最低音と最高音を合わせると約2オクターブほどとなりますので、キーの調整を行うことで、多くのスピッツの曲を歌えるようになると思います。中には、キーの調整をすることに抵抗がある人もいると思いますが、プロのアーティストもスピッツの曲をカバーする際には、キーの調整を行っています。

例えば、サザンオールスターズ桑田佳祐さんは『ロビンソン』をカバーした際にキーを4つ下げており、RADWINPSの野田洋次郎さんは『チェリー』をカバーした際にキーを2つ下げています。その1、その2で、示したように、高いピッチの続くスピッツの曲を原曲キーのまま雰囲気を壊さず歌い上げるのは至難の業だと思います。それよりも上に挙げた両者のように、原曲のニュアンスを残しつつ、自分の声の魅力を最大限に発揮できるようにキーの調整を行うことが大切であると思います。